湾曲や変形した爪が皮膚にくい込んで痛みを生じ、炎症を繰り返して不良肉芽が生じた状態を陥入爪(巻き爪)と言います。痛みで歩けないなど、日常生活にも影響があるので、ご相談ください。爪の切り方を変えるだけで改善する場合もありますし、早期の治療で負担を軽減することも可能です。
治療方法
①テーピングによる矯正
テーピングを指に螺旋状に巻いて爪が食い込んだ皮膚を引っ張り、爪から離して経過観察します。これは自宅でも可能な方法です。 爪を切りすぎたことによって生じた一過性の陥入爪はこのテーピングで十分改善が期待できます。 診察時にやり方を指導しますのでご自宅で試してください。
②陥入爪(巻き爪)手術〜フェノール法
神経ブロック麻酔をして約15分待つと趾全体がしびれてきます。痛みのないことを確認した後、陥入している部分の爪をまっすぐ根元まで切り、取り除く爪の周囲も剥離し爪を摘出します。摘出後に爪の根元部分(爪母)にフェノールという薬剤を数回塗り、無水エタノールで中和して終了です。手術時間は5分程度です。当日は包帯で巻いて、圧迫しますので、草履などかかとを潰しても良い履物をご用意ください。1週間はシャワーのみとし、自分でゲンタシン軟膏を外用してもらいます。7〜10日でガーゼは必要なくなります。通常、翌日には痛みも気にならなくなります。
③陥入爪(巻き爪)治療〜形状記憶ワイヤー挿入
ワイヤーによる矯正治療を行うこともあります。希望があった場合に都度ワイヤーを注文して施術しています。手術のように麻酔が不要で、気分的には楽な治療なのですが長期間の治療と経過観察が必要です。ワイヤーが引っかかって取れることもありますし、爪が伸びて入れ直しが必要なこともあります。ワイヤー挿入は保険適用されず、自費診療になります。